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藏重商店には取り扱う青果の分野ごとに、長年の経験を積んだ目利きがいます。品物を見極める確かな目を持ち、毎日のセリにのぞみます。それぞれのエキスパートに語ってもらいました。
トマト
木村 勝好
「藏重商店に入ったのが23歳の時で、以来ずっとトマト一筋。飽きないのかって?他の果菜類(果実を食べる野菜)、例えばキュウリもやってみたかったけど、先代には「やってもいいがトマトをおろそかにするなよ」と言われて専念したんです。トマトには端境期がないからね」
江川正修
「イチゴの話題で必ず聞かれるのが、「どの品種が一番おいしい?」って質問ですね。ちょっと真面目に答えると、「どのイチゴも必ずおいしい時期がある」んです。一年じゅう食べてみて、これは本当にそう。どの産地だから、どの品種だからというより、今日はこのイチゴがおいしいな、という感覚で見ています」
柑橘 道外果実
山田公英
「みかんが日本全国で何種類あって、この市場にどれだけ来るのか。せりや市場の人なら、それを全部、見た目でどのぐらいおいしいのか、わからなきゃいけない。例えばこれ、食べてみて。一般においしいと言われるみかんの糖度は13.5度以上。この産地のこの箱だと、一箱全部が13.5〜14度でそろう」
リンゴ
渡会和雄
「昔からあった『デリシャス 』や『スターキング』等に代わって、昭和40年代後半から『ふじ』が流通するようになり、リンゴ市場はすっかり『ふじ』を中心としたものになりました。今は世界の生産量の1位は『ふじ』系で、人気の高いリンゴです」